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EJWG and Babel JP

Eclipse Japan Working Group と Babel プロジェクトの関係

Babel プロジェクトの概要

  • Babelプロジェクトは、旧約聖書に登場する「バベルの塔 [1]」を明らかに意識しています。神が人々に違う言葉を話させるようにしたため、失敗したプロジェクトですが、Eclipseでは、各国の言葉に翻訳するのを支援するプロジェクトです。
  • Eclipse 3.2 まで言語バックは、IBMが作成し、無償で配布してきました。ところが、IBM は 3.3 から配布をやめました。Eclipseに参加する企業が増え、Eclipseが大規模化し、翻訳も大変になってきていました。オープンソースの精神に則り、翻訳もコミュニティによる貢献で行われる形にもっていくことが決定されたのでした。
  • Babelプロジェクトは2007年に発足したインキュベーション・フェーズのプロジェクトです。初期のリーダは BEA社の Chris Nguyen でしたが、すぐに降板してしまい、現在はリーダ不在です。(Babelのトップページには、リーダ募集が掲載されています)そういう混乱もあってか、現状は当初計画からずいぶん後退しているようです。当初計画Babel 現計画
  • Babelプロジェクトがイメージしているのは、誰でも翻訳に参加できる方式です。ログインすると、英語版Eclipseのメニューとメッセージの巨大な一覧が現れます。これに訳語を入力していきます。Wikiのような方式です。世界の誰かが日本語訳を入力してくれるかもしれませんし、あなたがドイツ語訳や中国語訳を入力することも可能です。Babelには誰でもメールアドレスを登録すればログインできます。

訳語の登録

  • ソースコードを登録する際は、Eclipseには厳格なルールがあります。貢献者(contributor)はコミッター(committer)の承認を得、コミッターはPMC(Project Management Committee プロジェクト管理委員会)の承認を得ます。登録しようとするソースコードにバグはないか、Eclipseのルールを守っているか、著作権の問題は?などチェックされます。Eclipseの膨大なプラグインに影響を及ぼすかもしれないわけですから当然です。(Eclipse三原則Eclipse Development Process)ところが、翻訳に関しては、現状のBabelでは全くチェックがありません。
  • ツールのメニューやメッセージは、ツールのソースコードと同等です。ヘルプなどと合わせて、トータルでツールを理解し、活用していくわけで、ソースにバグが無くても、メッセージやヘルプが間違っていれば、利用者は混乱します。ヘルプ通りに動作しなければ、バグと思うでしょう。ある場所のメッセージと、他の場所のメッセージでも、同一の事象を説明しているなら、同じ表現であるべきです。「Object」というメニューを、ある機能では「物」と訳し、他では「対象」と訳したら、日本人は別物と判断するでしょう。メニューでは「対象」が、メッセージやヘルプでは「オブジェクト」なら、混乱します。

EJWG の要求

  • EJWG は、訳語についてもコミッターと同等の役割を設け、内容をチェックすべきだと考えます。
  • 現 Babel では、ある人の入力した訳語を、別の人が上書きできてしまいます。EJWGでは、上書きしていいかどうか、コミッターが判断すべきと考えます。
  • 訳語の統一を図るのに、自動翻訳は非常に有効です。Eclipse 3.3 の日本語言語パックを作成する際は、自動翻訳で生成した結果を一括でBabelに登録してもらいました。
  • 自動翻訳には、英語版リリースから短期間で日本語版を出せるメリットもあります。
  • Babel では膨大なメニュー・メッセージを翻訳しますが、自動翻訳では辞書を翻訳します。複数のメニュー・メッセージ中に同一の用語が出現するので、辞書をメンテする方が効率的です。
  • Babel ではヘルプを対象にしていませんが、Eclipse 3.2 までの日本語版ではヘルプも日本語化されていました。(全てではありませんでしたが)EJWGではヘルプの日本語化も検討しています。

今後の進め方

  • Babel は壮大なプロジェクトです。今はまだようやく翻訳支援サーバが立ち上がり、Eclipse 3.3 の言語パックがリリースでき、3.4 に取りかかっている段階です。
  • コミュニティによる Babel への貢献も始まったばかりです。最新順位 訳語の品質が問われるのはこれからでしょう。
  • 日本は、英語圏を除くと、最近まで最もダウンロード件数が多い地域でした。(いまは中国に抜かれてしまいましたが) 元々品質に対して厳しい国柄ですし、英語を苦手とするエンジニアが多いので、日本は多言語化に関して他国より先行しています。
  • 言語パックを、Eclipse のプラグインを追加するようにインストールできる点は魅力です。今後、日本からEclipseプラグインを世界に発信するときにも、Babelのアップデートサイトを利用できるよう、Babelプロジェクトと協調して進化していきたいと考えています。

FAQ

  1. Babelプロジェクトと、JDTなどの各プロジェクトとの関係は? 言語パックのリリースは基本的には各プロジェクトの責任です。翻訳まで手が回らない各プロジェクトに代わって、Babel がコミュニティの貢献によって翻訳を各プロジェクトに提供するイメージです。しかし、実際には、言語パックのアップデートサイトを Babel が一元的に持っています。各プロジェクトは翻訳内容をレビューしてコミットすることは、現在行われていません。各プロジェクトに各言語に精通したコミッターは居ません。
  2. 翻訳の著作権は? 翻訳した人に帰属します。
  3. 翻訳物のライセンスは? ソースコード同様、EPL (Eclipse Public License) に従います。(Eclipse法務関係資料
  4. メニューやメッセージを日本語化するには、そのプラグインがそもそも多言語化を意識して作られていないといけない? その通りです。Babelの当初計画には、プラグインのソースコードを検査し、多言語化対応になっているかチェックするツールも計画されていました。(当初計画])
  5. ローカライズしたプラグインをテストするのは? Babel当初計画には含まれていました。
  6. 自動翻訳は他の言語でも有効? 原理的には同じく有効なはずです。

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